
こんにちは、Mです。
本格的な夏に突入し、さあ、愛車でどこへ出かけようとウキウキしている夏オトコのMです。ああ、これでガソリンさえ安ければな…。
さて、前回は「小さな巨人」MINIにエールを送ったわけですが、その中でも書いたとおり、「代替わりしても、誰がどう見たってMINIにしか見えない」デザインにはホントに感心してしまいますよね。でもね、この古いデザインに敬意を表して新車を作り出すという手法は、実はMINIが初めてのことではないのです。
では古き良き時代の旧車のデザインコンセプトを生かしながら、最新のテクノロジーを満載して中身を一新、新世代のニュー・カーとして生まれ変わらせる、その先駆けとなったクルマはなんでしょう?
Mが思うに、それは現行型のVWビートルではないでしょうか? もうだいぶ前のことになるけれど、東京モーターショーで発表されたNewビートルを見たとき、Mは目を輝かせて興奮したのを良く覚えています。それほど、このクルマのデビューは衝撃的でした。
当然ながら、オリジナル・ビートルよりも大きく重くなってはいるし、特徴的だった空冷水平対抗エンジンでRR(リアエンジン・リアドライブ)のレイアウトは、ゴルフと同じ、ごくふつーのFFと化し、ドライバーがクルマの全長のちょうど真ん中に座る、といえば聞こえは良いけれど、実際はボディ前端から、あるいはフロントウィンドウからやけに遠い位置に座ることになるポジションetc.
と気になるところは多かったものの、そんなことどうでもいいじゃない! と言わせるだけの魅力が、Newビートルのデザインにはあったのでした。
だってそうでしょ、「誰がどう見たって」こいつはあの可愛いカブトムシにしか見えないのですから。これは凄いことですよね、ホントに。エンジンレイアウトまで丸っきり変更してるのに、それでもカブトムシなんですよ。偉いなあ、VWは。
この現行型ビートルが発売されて今年でちょうど10年になります。このクルマの成功が、後のBMW製MINIを生んだといっても良いかもしれません。
ヨーロッパという文化圏は元々、古い建物や街並みをとても大事にします。1500年以上前に建てられた石造りの家を未だに住居として使っている、なんてのは珍しいことではなく、水の都・ベネチアに至っては「内装は自由に改装してよろしいが、建物の外観は変えてはならない」という法律が存在するくらいです。ですからクルマに関しても、この手法は無理なく発想されたのかもしれませんね。
その最も新しい例が、今年、日本にも上陸して話題を呼んだFIATの500(チンクチェント)でしょう。『ルパン3世』の愛車として、あるいは映画『グラン・ブルー』でジャン・レノ演じるところのレンゾの愛車として知られる、あのちっこくて可愛いクルマです。
このFIAT500も、ビートルやMINI同様、古き良き時代の面影をそのままに、中身は最新のテクノロジー満載で復活しました。RRだったのがFFになったのはビートルと同じです。でも最も注目すべきは、「デュアロジック」と呼ばれる2ペダル式MTが搭載されたこと。こんな小さな大衆車なのに、ですよ。
走らせてみると、クルマとしての魅力も充分以上で、ヨーロッパではかなり高い評価を得ているようです。同じように狭い道の多い日本でも、このクルマ、きっと似合うに違いない。
それにしてもなぜ、わが国ではこういった発想の「レトロ・モダン」なクルマが出てこないんだろう? ベースになるべき秀逸なデザインの旧車はたくさんあるのに。Mは、そう思っています。ですから次回は、「復活させてほしいデザインの日本車」を考えてみるつもりです。どうぞ、お楽しみに。
このデザインは永遠かも
古きよき時代の面影をそのままに
FIAT500。愛称のネズミのイメージは変わりません
運転席周りも昔同様シンプルながら、最新のデザイン