こんにちは、Mです。
ホンダ『インサイト』に続いてトヨタが新型『プリウス』を発売、それに時期を合わせたかのように「エコカー減税」の実施と、なんだか、「ハイブリッドにあらずんばクルマにあらず」といった風潮にある我が日本国ですが、どうもしっくり来ないのはMだけでしょうか?
確かにハイブリッドの分野では、我が国の技術は群を抜いていると言ってもいいでしょう。でも、二酸化炭素を減らしたり、燃費を良くするといった目的のためなら、そんなややこしいシステムに頼らなくても(だってエンジンとモーター、ふたつも動力を持ってるわけですからね)、もっと単純にしてシンプルな方策があります。
それはですね、小さな排気量のエンジンを載せた、車重の軽いクルマに乗ることです。国産車で言えばマツダの『デミオ』なんて、いい例ですね。現行型の『デミオ』がデビューしたとき、Mは「どことなくイタリア車に近いデザインだなあ」と思ったものです。コンパクトなんだけど小粋なデザインで、いかにもきびきび走りそうに見えましたから。実際、このクルマの評判は上々のようで、燃費でも好成績を修めているみたいですね。
この「燃費はいいけど、きびきび走れる」というところが実は大きなポイントで、どんんなにガソリン喰わなくても、走らせて面白くなければ買う気が起きません。少なくともMやクルマ好きの友人たちは、皆そうです。
そんなMの目の前に、本家本元イタリアから「これぞ!」というコンパクトカーが出現しました。それも相次いで3台も。
フィアットの3兄弟、『アバルト グランデプント』『500 アバルト』『アルファロメオ MiTo』がそれです。
このうち最初の2台は、それぞれフィアットの大衆車、と言ったら失礼かな、代表的コンパクトカーの『プント』、『500(チンクエチェント)』をベースに、レースの世界ではサソリのマークで有名な〈アバルト〉がチューンを施したもの。手法としては、1.4リッターのエンジンをターボ化し、サスペンションやボディ外装をスポーティにするといった、ある意味「ハイブリッド」とは正反対のオーソドックスなやりかたです。ところがこのチューンが、メチャメチャに楽しいクルマを作り出しているのです。
小っちゃくて軽いクルマに強力なエンジンを載せ、サスを引き締める。これだけでクルマ好き、腕自慢にはたまらない、本当の意味での「Fan To Drive」なクルマが出来上がるわけですね。しかも、価格が安い。『アバルト グランデプント』なんて275万円ですよ! 『500 アバルト』は295万円ですが、ホイールベースを伸ばすなど、ノーマル車とは別物になっていての300万切り。これは立派といっていいでしょう。ただ難点は、扱ってくれるディーラーがアバルト専門となるため数が少ないこと。まあ、フィアット・ディーラーでも注文は出来るようですが。
となると一番敷居の低いのはアルファだな。そう考えたMは、週末に近所のフィアット・ディーラーへ出かけ、『アルファロメオ MiTo』を試乗してみました。
駐車場での第一印象は「ちっちゃい! 」でした。これまでの最小アルファ、147が大きく見えるほどコンパクトです。それでも事前に聞いていたとおり、顔つきとお尻はスーパー・ハイパフォーマンスカー『8C コンペティチオーネ』のイメージを残しており、なかなか粋な雰囲気です。
ドアを開けて乗り込むと、むむむ、Mは唸ってしまいましたね。ダッシュボード周りのカーボン調の仕上げといい、自然な位置にあるアルミのペダルといい、握りやすいシフトノブといい、これはまさしくアルファロメオなのでした。「さあ走ろうぜ」という気にさせてくれるんですね、この作り込みは。うまいなあ、この辺の持っていき方は。
ではアルファの誘いに応えて走り出してみましょうか。クラッチペダルもギアシフトも(そう、MiToは6速MTなのです)、そして電動パワーステアリングの感触も、すべて拍子抜けするくらい軽々としています。女性の力でも何の問題もないでしょう。
兄弟たちと同様の1.4リッター・ターボエンジンは最高出力155馬力ですが、低回転のトルクは分厚くないので、3500~4000rpmまで引っ張ってシフトアップしたほうがいいですね。また、車速が落ちたら、すかさずシフトダウンすること。そうすれば、このクルマは実に生き生きと街を駆け抜けます。
シフトノブの根元、手元側にあるスイッチが、今回の3兄弟共通の目玉「オーバーブースト」用のもの。これを「ダイナミック」側に押すと、ターボのブースト圧が上がり、トルクが増大するんですね。それだけではなく、同時にステアリング特性やエンジンレスポンスも変わるという優れもの。実際にMも試してみましたが、はっきり体感できるほどクルマの性格が変わります。いやあ、楽しい! 好みからいえば、ずっとDにしたまま走りたいほど。
こんなにコンパクトなのに、身にまとった雰囲気も走り味も、完璧にアルファロメオしているんですね、このMiToは。これで車両本体価格は3兄弟の真ん中、285万円なんですから、ホントに感心してしまいます。排ガスや燃費も、厳しいヨーロッパ規制に合格しているのだから悪いわけがない。おそらく実用燃費はリッター12~13km程度はいくでしょう。
こりゃもしかしたら、ハイブリッドばかりに目を奪われていると、ますます欧州車に水を空けられてしまうんじゃないか。そんな心配も覚えてしまったMなのでした。いやあ、それにしても久しぶりに面白いクルマに乗ったなあ!