こんにちは、Mです。
あったかいなあ、と思ったら冷たい雨が降り続く、なんていう、ついこないだまでの気温の乱高下もようやく収まり、季節は着実に春に向かいつつあるようです。そろそろ、クルマで遠出をしてみようかなあ。
そんな気分になって来たM、浮かれついでに、ずっと気になっていた新型車の試乗に行ってみることにしました。それは、ホンダが2月末に販売開始したスポーツ・ハイブリッド『CR-Z』(シーアールゼット、ではなくシーアールズィーと読むそうです)。
このクルマ、2007年の第40回東京モーターショーでコンセプトカーとして出品されて以来、Mはずっと注目して来た1台なのです。なにしろ、デザインがカッコ良かったですもん!
そして「ハイブリッドでありながらスポーツである」というその主張が、Mにとってはたまらなく魅力的に思えたのでした。
だってね、燃費の向上やエコロジーの追求は、これからのクルマにとって避けては通れないものではあるけれど、その分、「走る」という本来の楽しみがスポイルされるようじゃつまらない。そんなの乗ってもしょうがないよなあ。あーあ、クルマは単なる移動手段に堕落してしまうのかしら。本気でMは、そう嘆いていたところなのでした。そこへ登場したのがハイブリッド初のスポーツを謳う、このモデル。こりゃ、興奮しますよね。
その後、2009年、つまり昨年の東京モーターショーで「発売を前提とした」『CR-Z CONCEPT2009』が発表されます。Mはもちろん、こいつも見に行きました。最初のモデルに比べれば、市販前提になった分、デザインはちょっとふつーになっちゃいましたが、うーん、やっぱり期待しちゃうな、このクルマには。そう思ったものです。
なにより嬉しかったのは、6速MTモデルが用意されると発表されたこと。このことだけでも、ハイブリッド初の快挙です。スポーツと銘打つ以上、これは重要なことだし、ホンダの心意気とでもいうものを感じました。
そして年が明け、2010年2月26日、ついにCR-Zは発売されたのです。この直前の自動車雑誌やネットでは、もう、このクルマの話題で持ち切り。いわゆる「クルマ好き」「スポーツカー愛好家」たちの関心の高さがうかがえるというものです。でもね・・・・・・。
そういった自動車雑誌や自動車評論家のせんせーたちの意見を読んでいるうち、Mはちょっとばかり不安になってきました。曰く、「充分に早いが、思ったほどではない」。
ネットやブログで、早速試乗して来た一般の人たちの感想をチェックしても、「本気で走るには物足りない」云々。とまあ、おおむね好評な中に、こと走りに関しては「?」な記述がちらほら見受けられるではありませんか。うーん、どうなんだろ、実際のところ。
それに写真で見る限り、市販車モデルはなんだかボテッとした印象。うぇー、カッコ悪かったらどうしよう。
どうしようったって、買おうともしないうちから悩んでもしょうがないのですが、これがクルマ好きのサガというものです。よし、こうなったら自分の目で確かめてやる。妙に意気込んで、近所のディーラーに試乗希望を伝え、出かけて行ったMなのでした。
そしてついに実車とご対面。おお、2次元で見るより3次元で見る方が、つまり、写真より実物の方がずっとカッコイイじゃん! これが第一印象でした。
ルーフが最後尾のエンドに至るまでほぼ水平なのは、空力重視のHVではお約束事。まあCR-Zの場合は、往年の名車CR-Xのイメージを引き継いでる、と思えば許せます。ただ、雪が降るとリアウィンドウに積もりそうですけど。
真後ろからのデザインも、なんとなくCR-Xを思い出させます。
あんまり後方視界は良くなさそう。けれど、全体としては、これがハイブリッド・スポーツだ、という新しい主張を感じさせるデザインだと思います。
では乗り込んでみましょうか。運転席のシートに腰を下ろします。おお! 久しぶりに良いシートに出会えました、国産車なのに。面の張り具合、ホールドともにいい感じ。
続いてステアリング。皮巻きですね、この高い方のグレード、「α」では。それは今や当たり前としても、径が360ミリです、Mの一番好きな大きさです。さらに、チルトにプラスしてテレスコピック、 すなわち上下のみならず前後にもステアリングの位置を調整出来ます。これって必要だと思うんだけど、国産車には付いてないことが多いんですよねえ。
エンジン、かけますね。このグレードはスマートキーシステムなので、キーはポケットに入れたまま、ステアリングポストのノブを回してやるだけ。静かなエンジン音だなあ。
試乗車はCVT仕様なのでDレンジに入れて、ソロソロと発進。うん? この瞬間から、新感覚、ていうか嬉しい予感。ディーラーの駐車場から表通りに出て走り始めると、その予感は的中しました。「これって、1.5リッターですよね?」Mは思わず助手席のディーラーマンに尋ねたほどです。
そうなんですよ、電動モーターが実に見事にアシストしてくれて、発進時も加速時も、その排気量からは信じがたいパワフルさ。CR-Zの場合、モーターがターボ代わりと言うか、ドーピングと言うか、トルクを上乗せしてくれて、確かに「スポーツ」を感じさせる出来映えです。しかも、何の違和感もありません。もっと大きい排気量のノンターボに乗ってる感じ。それに微妙なアクセルワークにしっかりと反応してくれる、そのレスポンスの良さと来たら。これはCVTとのマッチングがハイレベルだという証拠なんでしょう。
調子に乗って、ダッシュボード右端にある〈モードスイッチ〉を「スポーツ」に切り替えてみます。うわわー、さらにパワフル! しかもステアリング・フィールまで変わります、芸が細かい。でも、それまでグリーンやブルーに光っていたスピードメーター周囲のリング、〈アンビエントメーター〉ってのが真っ赤に輝き、「やばいやばい、省燃費で走んなきゃ」と反省させてくれるのでした。
試しに「エコ」モードでも走ってみましたが、混んでる市街地ならこれでも充分いけます。
ですが、普段は「ノーマル」モードでオールマイティ。高速は試してないけど、幹線道路も狭い裏道も走るのが楽しくなる小気味良さ。この実力で、いったいどこが「物足りない」のでしょ?
1時間近く乗り回しちゃったMなんですが、最も感心したのは、ドライバーの視覚に対するこのクルマの姿勢です。最初は「やけに広いテーブルみたいなダッシュボードだな」と感じたフロントグラスまわりの造形ですが、かなり傾斜させたあのウィンドウは、もしかしたら特殊な曲面率を持っているのかも知れません。ふと気付くと、これまでのクルマとは比較にならないほどの広大な視野を確保しているではありませんか。試乗を終えて帰るとき、自分の愛車の視界が狭く感じて困ってしまったほどです。
気になっていた後方視界ですが、そりゃ良いとは言えません。言えませんが、普通には確認出来ます、バックも出来ます。
視覚と言えば、スピードメーターのデジタル表示。これって3Dで浮き上がって見えます。遠くから視線を移しても見やすいように、ってことでしょうか。少々、不思議な感覚です。
それも含めて大変未来的なメーターまわりなんですが、HV特有の〈モーターアシスト状態〉やら〈エコガイド〉やら、いろんな情報が表示され、面白いんだけど運転中は気を取られないようにしなければ危険です。これ、このクルマに限らず、HV共通の問題点ですよね。
さて、そろそろ総評を。
このクルマ、確かに乗る人を選ぶと思います。リアシートはきっぱりオマケですし、ラゲッジスペースも思ったより広いけど高さはありません。この思い切った外観デザインも、好き嫌いをはっきり分けるでしょう。
でもね、このトルク感と加速力、ついでにまったく違和感を感じさせない「回生ブレーキ」には感心します。
そして意外なまでの乗り心地の良さとフットワークの機敏さ。ホンダのスポーツタイプといえば、これまでだとガチガチの、ストローク感に乏しいサスペンションで、さすがのMもしんどいなと思っていたものですが、こいつは違います。これにはCVTで1160kg、6MTで1130kg(!)という軽い車重が効いているのでしょう。ちなみに最小回転半径は短いホイールベースのおかげで、わずか5.0m(!)です。
うーん、正直言ってMは今、悩んでおります。CR-Z、本気で欲しくなっちゃったものですから。
試乗したのはCVTで、これが6MTならどんな感触なのか、ぜひ知りたいと思うのですが、悲しいかな、どこのディーラーの試乗車にもMT仕様は見当たりません。でも待てよ、燃費データはMTのリッター当たり22.5kmに対して、無段変速のCVTの方が25.0kmと良好だし、なにより今回の試乗でCVTの出来の良さに感心したしなあ。これならCVTが正解かなあ。
カミサンと子犬1匹乗せればいいMの場合、このクルマはぴったんこハマるんですよねえ。この内容で、αグレード249万8000円は安いと思うなあ。取得税と重量税は免除だし、補助金10万円帰ってくるしなあ。あとはこの不景気の最中、カミサンをウンと言わせられるかどうか・・・・・・。
あ、それより今回の結論は、もっと別のところにあるのでした。
いいですか、皆さん。もし気になるクルマがあるのだったら、雑誌やネットの情報だけを鵜呑みにしないで、どんどん、試乗に出かけましょう。自分の目で腕で、確かめてみることです。第一、いろんなクルマを試してみるのって、ホント楽しいですよ! では、また。

これが話題のCR-Z。独特な外観です。

ま、あんまり後方視界は良くないけど。

このウィンドウのおかげで、
前方視界は最高!

こういう濃いメタリックも
似合いますな、このクルマ。

これがリアシート。
ま、子供か犬ならOK。
おとなは横になってどうぞ。

浅いけど意外に実用的なラゲッジスペース。

リアシート倒すと、この大容量。

実に未来的なメーターまわり。
スピードのデジタル数字は、浮き出して見えます。

縦に3つ並ぶのがモードスイッチ。
違いははっきり体感出来ます。

メーカーオプションのナビを
付けてると、このように成績発表が。

まあ、コンパクトなハイブリッドシステムですこと。